チョココーヒーパン

私「コレット」の自己理解のための思考整理の場です。内容はほとんどドラゴンボールのことばかりです。

映画ドラゴンボール超スーパーヒーロー感想

総合的にはとても良かったです。満足度に点数をつけるなら10点満点中8点くらいかな?(ただし漫画版やTV版DB超との揺り戻し効果はある)

ストーリーは意外性が少なく退屈になりそうなのを、ピッコロの潜入捜査のおかげで、補って余りある面白さに感じられる。ストーリー自体の出来は復活のFやブロリーと同等(な大したことなさ)だけど、やはりピッコロと悟飯の動かし方が面白い。あと、細かいネタの入れ方。

以下、だいたい時系列で感想を記載していったものです。

 

復活のFのときからそうだけど、導入部分の上手くなさが気になる。車に乗って延々と会話してるだけで、小ネタを挟んで工夫はしてるけどやってることは設定を説明してるだけ。

ピッコロの声の演技。登場が多いのは珍しいからいままでと比べるのは難しいけど、少なくともZのころよりも優しさのある声になっている。(役者の経験によるものか、演技指導なのか)

ガンマを殴ったときの硬そうな音が良い。

ピッコロが潜入捜査する、というシチュエーションがとても面白い。真面目だけどどこか抜けていて、常識離れしているけど有能というとても美味しいキャラだ。

「何故文字が出る」

ピッコロの腹痛を心配してくれる隊員とか、挟まれる小ネタが面白い。安心できる。

レッドリボン軍の基地や、各種メカの造形、しっかりと力を入れられているクオリティになっていて楽しい。

マゼンタの母親がバイオレット大佐っぽいのはちょっと嫌だな…(レッド総帥との関係を想像したくない) マゼンタって赤紫だから、もうそういうことなんだろうけど。

ブルマが全体的にセクシーに描かれている。ピッコロと電話するときのリラックスしたブルマが特に。ピッコロのウィスパーボイスも。

CGモデルはベジータの眉毛が太いのと、悟空の道着のシワが気になった。あとはたぶんたまに手描きシーンもあると思うけど、違いがわからないくらいだった。ブルマのモデルだけ、なんかイマイチと言うか…あまり可愛く見えない。「ブロリー」のときは可愛かったんだけどな。

ジレンのパワー自体は悟空たちとそれほど変わらないというのは、やはり身勝手の極意はパワーアップしてるわけではないということなんでしょうね。鳥山脚本でその辺の話が聞けたのは良かったかな。

ビルスとチライのシーン、原作(脚本?)だともっとあっさりしてるんじゃないかな。「お前はかわいいからいていいぞ」くらいの。このキャラ付けは原作者にしかできないな。「神と神」でもアイドルが好きだったりしたし、俗っぽいところがあるんだよな。

神龍はアップグレードしなくてももともと潜在能力アップできたってことでもよかったんじゃないかな。わざわざこのためにアップグレードするのってズルいというか…
ブルマがドラゴンボールで何度も個人的な願いを叶えてるとかも、なんだか…
魔人ブウ編で地球人たちの記憶を消してもらうあたりから使い方の倫理観が崩壊してきている。

ただ、「願いは自分の力で叶えてこそ」みたいなのも鳥山明らしくないから扱いが難しいところだ。とはいえ、「使えるものを使って何が悪い?」みたいな開き直りもなんか違う気がする。

漫画のグラノラ編でも寿命と引き換えにパワーアップしているけど、その叶え方はGTの黒星ドラゴンボールに近い。製作者のパワーが弱いと、願いに代償が必要になるのか。

オレンジピッコロが一撃でガンマ2号をのしちゃうの良い。「パワーアップすると小さく弱そうになる」というドラゴンボール逆張り逆張りで、筋肉モリモリの巨躯になるシンプルさ好き。

マゼンタも悪人とはいえ、毒針で死んじゃうのはけっこう生々しいな。(コミカルにしてはいるが)

「Dr.ヘドに銃が効かない」とか「ハチマルの毒針」は、終盤で発揮することを冒頭で話しておいただけで流れとしては何も上手くない。マゼンタはその発言を忘れていたか信じていなかったかというだけで、視聴者は覚えているに決まっているので…。例えばカーマインに銃で脅されたときに、ヘドがビビらないことをカーマインが不審に思う、とかのひっかかりがあればわざわざ言葉で説明しなくてもよかった。

悟飯が「悟天か…?」っていうの、悟空と間違いそうになってるってことですよね。

ピッコロ、悟飯が急に大きくなるところも見てたのかな。

クリリンが三枚目役かと思いきや、その役割は失敗ゴテンクスに切り替わって、一転優秀なアシストをするのはとても良い。力の大会でもそういう役割を期待されていたのだろう。

機械ベースの人造人間であるガンマや16号は、人間や人間ベースの人造人間とは違い気弾を手のひらとかから出すことが出来ないんだな。だからガンマは銃を使うし、16号もロケットパンチや腕の内部からヘルズフラッシュを撃つ。

パンチを受け止めて、余波の衝撃波が後ろにドドドドッとなるのは定番の演出だけど、どこが元ネタなんだろうか。「龍拳爆発」でもやってたかな。

決め技が魔貫光殺砲なのは、弱点である硬い頭を貫くための技として、またセルマックスを抑えているピッコロに被害がないようにも、とても有効な技なのが良いですね。ドラマ的にはパンを誘拐したレッドリボンと悟飯を誘拐したラディッツが対応しているのか。そしてピッコロ大魔王を貫いた悟空を、ピッコロ大魔王の生まれ変わりが貫いた魔貫光殺砲は、今度は悟空の息子が悟空の仇であるセルの生まれ変わりであるセルマックスを貫くという複雑な対応関係。悟飯の「練習したことがある」という言い方、最近じゃなくて少年期とかで練習してたのかな。

セルマックスの、「頭が弱点で破壊すると大爆発する」って設定必要だったのかな? 大爆発の被害は結局あまり関係なかった。頭を破壊したら死ぬのは普通だし、2号の攻撃で破壊された腕はそのままだったので「頭以外を攻撃しても再生する」というわけでもないみたいだ。

セルマックス ≧ 悟飯ビースト > オレンジピッコロ > アルティメット悟飯 ≧ ガンマ1号2号 > 潜在能力解放ピッコロ > 超サイヤ人悟飯
かな。

ベジータが悟空に勝利したことをあっさり見せるのはドラゴンボールらしい。ブロリーとレモが感動しているのを冷めた目で見るチライという図式は、バトル描写ばかりを追い求める視聴者に対する皮肉だろうか。